FREDDY

工作 黒金星と呼ばれた男のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ユン・ジョンビン監督による、実在した工作員『黒金星(ブラック・ヴィーナス)』を題材としたスパイ映画である本作は、1992年、北朝鮮の核兵器開発を巡って緊張状態が高まる朝鮮半島を舞台に、北朝鮮の核開発の実態を探るために国家安全企画部のチェ・ハクソン室長から潜入命令を受けた、韓国軍情報部隊の将校パク・ソギョンによる工作活動や、1997年の大韓民国大統領選挙をめぐる南北の裏取引によって、自身の工作活動が無になってしまうことを知ったパクが苦悩し葛藤する様が描かれたものとなっているのだが、冒頭でフィクションと記されるも映し出されるものは中々見応えのあるスパイものとなっていて、実在した工作員を主人公に、国家安全企画部や北朝鮮の最高指導者キム・ジョンイル、後に韓国の第15代大統領となるキム・デジュンも登場。そして彼らが紡ぐ物語の要となるものは、北朝鮮の核開発や97年の大韓民国大統領選挙、北朝鮮と安企部の暗躍「北風工作」などと、もはや何がフィクションなのかが理解できないほどそこにはリアルが溢れていて、早い段階でフィクション映画であることを忘れて作品に没頭してしまいましたし、登場人物らによる腹の探り合いから伝わる緊張感もまた魅力の一つとなっていますし、やはりスパイ映画に留まらず、人間ドラマもしっかりと描かれている点も高評価。ラストがとにかく良かったですね。心を揺さぶるものがありました。ファン・ジョンミンやイ・ソンミンをはじめとしたキャスト陣の演技も惹かれるものがありましたし、本作は観るべき一作かもしれませんね。最後の最後まで面白かった。
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