「1987、ある闘いの真実」に続いての韓国政治もの。こちらはポリティカル・スパイ・スリラー。
舞台は1980年代民主化前の韓国。北朝鮮の核開発疑惑の解明のため、黒金星(ブラックビーナス)と呼ばれる工作員が資本家に化けて北朝鮮の幹部と接触を開始する。北朝鮮での広告という「エサ」で平壌に入り、キム・ジョンイルとの面会や現地調査に成功するが、時は韓国の大統領選挙で金大中が優勢な状況。政治的な裏取引を見て自分は彼らのコマにすぎないと悟った主人公は、ある行動に出る、、というオハナシ。
全体的に緊張感があり、スパイ・スリラーとして十分に楽しめました。主人公が「普通のおっさん」に見えるのがリアル。主人公と北朝鮮の窓口が次第にお互いを認め合い友情を育むところもテンプレではあるもの、ムネアツでよかったです。私事ですが自分は84年に観光解禁された中国に行ったことがあるので、当時の北京の豪華なホテルや裏通りの風景も興味深かったです。(当時はまだ皆さん人民服でしたね)
韓国与党が自分たちの組織や地位を脅かす金大中の大統領就任を阻止するために、北朝鮮に金を払って軍事的な緊張を演出していた、ってのはいかにもありそうな話。(例の「Jアラート」も、実は裏で自民党が官房機密費から金払ってるんじゃないの?なんて思ってしまいました。)