ねぎおSTOPWAR

7号室のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

7号室(2017年製作の映画)
3.8
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このところ集中的に韓国映画を観て、累計200本を越えたところで思うことちょっとだけ書いてみようと思います。
《韓国映画全体の話》
日本統治時代~朝鮮戦争~軍事政権、ベトナム参戦~民主化運動・・を経て、韓国で、政府の支援を受けない映画が初めて作られたのは1992年ですよ!翌1993年にお馴染みCJEntertainmentが設立。ポン・ジュノ監督が韓国映画アカデミーに入ったのは1995年かな。
「8月のクリスマス」(1998)のホ・ジノ監督や「ペパーミントキャンディ」(1999)のイ・チャンドン監督といったヨーロッパテイストな方々のベースに、ご存じ「シュリ」(1999)や「JSA」(2000)が乗っかってからがいわゆる韓国映画の隆盛期。
当初は日本映画界との関わりも強く、松竹が入っていたり、ユーミンが主題歌書いたり・・。でもね、やっぱりその頃から若者が留学してたんだろうなあ。おそらく金大中が大統領になった頃からアメリカ行った人々が勉強して帰ってきたのが2010年あたり。この2010年2011年ってなんか韓国映画の変質が感じられるんですよねー。前と後で画が違う気がするんです。勘でしかありませんけど。あっ、監督じゃなくて裏方技術スタッフのことです。
まあまあこうしてハリウッドをグーーっと吸収して。気がつけばハリウッドが韓国の模倣を始めてる。
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この映画、ジャンルで言ったら何だろう?
主な舞台はビデオ鑑賞部屋の7号室。
旅はしていないけどなんだかロードムービーみたいな出来事や展開。

ビデオ鑑賞部屋を経営するドゥシク社長(シン・ハギュン)と、バイト代をロクに貰えないバイト店員テジョン(ト・ギョンス D.O.)がお互いに7号室に秘密を持ちながら、新人バイト店員の"朝鮮族" を巻き込んでドタバタ始まります。

周辺にいる大人たちもとっても魅力的なんです!

したたかな不動産屋!
冷酷な大家!
楽観的な姉夫婦!
エロに生きようと企む元教頭先生!

などなどね!


ラスト、シン・ハギュンさんの一人芝居は秀逸ですねーーー!
このシーンで映画の全体がガラッと表情を変える。


今作は「ゲッタウェイ」から話を繋げようとするとちょっとやり過ぎですかね??
えーと、言葉で言おうとすると・・。
でもまあ法的に問題なことに関わっちゃうんだけどそんな中での人間っぽさが、ハンディカメラで揺れながら寄り添うように撮ることで密着ドキュメントみたいに引き込まれる。
これがコミカルに、シュールに描かれています。
なんかね、「リトルミスサンシャイン」とか「スケアクロウ」あるいは「道」みたいな映画の仲間な気がするんですが、違うかなあ・・。
イ・ヨンスン監督に訊いてみたいなあ。

〈201〉