すずや

Love,サイモン 17歳の告白のすずやのレビュー・感想・評価

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)
4.0
ゲイというか、マイノリティを扱った映画として本当によくできてると思う。
ゲイ、黒人、ユダヤ人、スクールカースト下位、色々なマイノリティがいるということにしっかりフォーカスしてるのが上手かった。近年散々口にされる多様性が映像にうまく成ってる感じ。
ゲイだけがカミングアウトの負担を負うべきじゃない、っていうのは確か。皆なにかを隠しながら生きている。それは気づくものもあれば気づかないものもあるし、主人公であるサイモンでさえも黒人であることを差別してるような節がある。マイノリティは差別をしないか、っていうとそんな訳が無いんだよな…

あとうまく言えないけど、「自分が自分らしくいること」も大事なテーマだった。
自分がゲイであるからと言ってそれが誰かを傷つけていい免罪符にはならない。自分らしく、正直に生きないといけない。
とくに終盤のLove,simonのシーンにはそれを強く感じた。

原作がすごい好きだったから色々変わってしまったところが多いのは不満と言えば不満で……
例えばサイモンの家族構成。確か末っ子だったはず。
あとストーリーが全然違って、原作で好きだったシーンがいくつかなくなってて…(その代わり、あの観覧車のラストも好きだけど)
サイモンがあまりに夢男子だったのもびっくりした。でも、メールの相手は誰だろうって探り探りな様子の表現は好き(結末知ってたから初めのほうの推理にはハラハラさせられたけど)
また逆に、映画オリジナルのキャラクターだったイーサンが私はすごい好き。あれくらい自分らしく生きる勇気のある人ってすごい。

マーティンに対してはサノスに消されて欲しいくらいちょっと怒りが収まらない。
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