Jean

プーと大人になった僕のJeanのネタバレレビュー・内容・結末

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2018.09.05 字幕視聴


【何もしないがくれる自由】

自由

これほど難しいものはない

何もしない

これもまた自由と同等に難しい

自分で決めて、
全てを背負わなければならないから

クリストファーロビンが何もしない時間で
あんなにも豊かにイーヨーとゾオウたちを
やつっけたのは、まさに何もしない決断があったから

何もしないということは
実はすごい決断だということを
人はなかなか気がつかない


【何を選ぶか】

プー
何もしないをしよう


大人になればなるほど、
何もしない時間が不安になる

それは色々なことを聞いて、見て、
知ってしまったからなのかもしれない

これをした方がいいとか
あれをした方が効率的だとか
またはこれをしないといけないだとか

そんな色々を知ってしまって、
不安になってしまうのだろう

知ることが悪いことではない

ここで言いたいのは
知った上で自分が何を捨て、何をするか

何かをするのも1つの選択肢
何もしないのも1つの選択肢

「何もしないなんて無理!」と世の中の大人は
きっと、いや絶対思うだろう

食べてかなきゃいけないし、
家族を養わないといけないし…

ただ忘れないでほしい

あなたが何もしなかった時間は無駄なのではなく
何もしない時間なんてない

何もしてないように見える時間で
私たちは必ず何かをしてる

その何かは何かしらの輝きがある

それをあなたが見つけられていない
たったそれだけのことかもしれないのを

何を輝きと思うかは自分次第
シンプルでたったこれだけのことなのだ



【自分は変わるのか】

クリストファー
僕はもう子供じゃないんだよ

プー
君はクリストファー・ロビンだよ


プーのこの一言は至って的確で、
何も言い返せやしない

でも、きっと大人になった誰もが
返事に詰まる質問

「もう子供じゃないんだよ」
そう思った瞬間、私たちは大人になってしまう

確実に大人の仲間入りを果たすのだ

大人という名の言い訳

言い訳をして、どうにか自分の気持ちや行動に
折り合いをつけて、
これからとる行動を正論化する

クリストファーロビンは何の理論も
考えもないプーの一言一言に
苛立っていた

クリストファーの気持ちもわかるのは
きっと効率やら手法やら
難しいことを私も覚えてしまったからだろう

でも、プーの言いたいことも痛いほどわかる

風船よりもその書類カバンは大事なの?

このちっぽけでヨレヨレになったカバンは
こんなにも心を踊らせ、幸せにしてくれる
風船よりも大切なの?

「仕事」と言う名の義務に押し付けられた
クリストファーにプーは悲しい顔をして聞く

そんな様子を見たら、
抑えられない何かが私から溢れた

義務や責任、正論

それは本当は自分の物差しで決めるべきこと

他人に押し付けられて
決めるべきものではないのだ

自分を持って、自分で突き進む

それしか、自分や自分の環境を変えるなんて、
不可能と言っても過言ではない



【試写会にて】

初めて試写会に参加した
当たった時は夢にも思わなくて、心が踊った

ユアンマクレガーがレッドカーペットを歩いて、
ファンたちにサインやら写真撮影をして回っている

答えてくれるわけもないだろうけど
どうせだから彼に何か質問したいと

大人になるってなんですか?
What is to become an adult?

こんなことを紙に書いてサインを求めた

試写会でファンサービスをしてくれることを
知らなかったものだから、
咄嗟にこの質問を思いついて
この英文法があってるのかさえわからず
ただ差し出した

何故だか受け取ってもらえた

そして青い目は困った様子で
私の方を見て、
一間置いてから
it’s you と一言発した

そんな困らせるような質問をしてしまったのか、
それとも文法がおかしくて
この子は頭がおかしいと思われたのか
定かではないが、
なんだか素敵な一瞬だったように思う

その後、彼が壇上に上がり
大人になることについての質問を
インタビュアーから受けてた

その時、彼は考えるように
口ごもっていたことが多々あった

クリストファーロビン役の
彼自身も答えを知らない

そういうことだったのかもしれないなぁと
この時思った

大人になるってなんだろう
私は今大人なのだろうか

そんなことをふと考えさせられた試写会だった

※もし誰かこの日本語にあう英訳を知ってたら
教えてください…笑
Jean

Jean