実際にプーさんのぬいぐるみで遊んでいた身としては、ただ遊んでいることが日常のすべてであり、それが自分にとっての世界だったあの日の郷愁と、そんな無垢でかけがえのない日々の蓄積が、確かに今の自分を形作っているというアイデンティティの根源を否応なく思い出させ、それだけでも号泣してしまう。
何もしないこと、で本当の大切さに気づき、その余暇が経済を活性化させ旅行カバンが売れるようになるという展開はキレイにまとめようとしすぎている感はあるものの、ライフワークバランスや働き方改革が提唱される昨今、会社人間や社会の歯車としてではなく、本当の幸せや働く意義を考えずにはいられない一作。