赤ちゃんパンダ

季節の記憶(仮)の赤ちゃんパンダのレビュー・感想・評価

季節の記憶(仮)(2014年製作の映画)
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・夏→秋→冬→春なのがほほーん春夏秋冬じないのね、と思ったけどさまざまな物語の器は夏→秋→冬→春なのかもしれない。

・フィルマークスの高山さんという人の感想がおもしろい。名前に見覚えがあるから著名な人かもしれない
私も高山さんの感想を見る前はドキュメンタリーに近い映像なのかと思っていたのだけれど、フェイクドキュメンタリーなのか!
フェイクドキュメンタリーとわかるとガッカリ(?)というよりは俄然興味がわいてきて、一体どんな演出が行われてきたのか、脚本があるのか、エチュード的な要素はどれだけあるのか、いわゆる自分と離れた"役"が与えられているのか、、ぜんぜんわからない。

・ふつうの劇映画にもドキュメンタリーの要素は絶えずあって、セットにしろロケーション撮影にしろ時代性をぜったいに映すし、演技をしている役者のドキュメンタリーでもあるけど、じゃあこの作品は何がフェイクなのかが逆にわからなくておもしろい。
春編でおもむろにヨガした赤ちゃんに、おもむろにヨガする赤ちゃん!って思ったけどあれははすがに演出ではないと思うし、ナンバーが1の車も偶然居合わせたのだと思うし、、(もしそうじゃなかったらそれはそれでなにその地味な作り込みって感動するけど)

・コロナのことが騒がしくなって仕事以外でだれにも会わなくなってから家のパソコンでだらだらと見て、途中ダルくなったら(冬編あたり)別のこと(皿洗い)とかしながら見て、あまりなにも期待しないで見たけど、
そして複数の人がなんの目的らしい目的もなく集まるために集まって、公園とか川沿いで遊んだり喋ったり飲んだり食べたり、家に集まったり車で出かけたりして、昼になにを食べるとか夜になにを食べるかみたいな話をして、そこではそういうことがちょっとした重要なことで、今日は暑いみたいな話をして、メインで写っている人の後ろにいる風景と化してる人たち(こちらはおそらくほんとうに演出なしにその場にたまたま居合わせた人たち、、なのか?)も同じように日常を過ごしていて、
そこにある圧倒的な日常感にめちゃくちゃ癒されてしまった(自分もそこに居合わせているような気分になってしまった)けど、
たしかに映画好きの人がふつうのときに鼻の穴を膨らませてなにかものすごくありがたい?映画を見る心構えでお金を払って映画館でこの映画を椅子に座って120分見たら途中でフヘーとなってしまうのかも、しれない。

私は適当に見れるというかいわゆるおもしろさのないものがすき(作り込まれたおもしろい作品にもすきなものはたくさんあるけど)な傾向があるからぜんぜん楽しめたというか、なんていうか「楽しませてもらおう!」とか「気持ちよくなろう!」みたいな気持ちが映画に対してぜんぜんないときがある気がする。

面白がらせてくる映画は面白くないと「面白くない!」となるハメになるけど、べつに面白がらせてこない映画はそういうところとはちがう安心感がある。こんなことを書いたら作った人に怒られそうだけど
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