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ある少年の告白のariのネタバレレビュー・内容・結末

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

「同性愛を治療するために矯正施設に通う少年の実話」私はこのことだけを知った状態で映画館に足を運んだ。

衝撃的な内容だったけど、ごく最近の話でこんな施設がまだ世界に存在していることが何よりも衝撃的だった。

原題は「Boy Erased」(消された少年)個人的にこのタイトルのままで上映してもいいのではないかと思う。最初文字が少しずつ消えている表現を後々考えると、自我を徐々に消していく矯正施設のことを表してることに繋がったから。

この映画は私が今まで見てきたLGBT映画と違って宗教が絡んでいて少しややこしいところ。そしてなんといっても家族である父親が牧師だということ。

同性愛は罪じゃない。矯正施設の恐ろしさが終始私の心を苦しめた。施設で反抗的な態度をとった少年キャメロンが、幼い妹に聖書で叩かれるシーンは本当に見るに堪えなかった。間違った行動に光を当ててくれる作品だと思う。

この作品で1番印象的だったのはお母さんであるナンシー。
男の問題は男で解決しようとするところに女である母は従うことしかできない。それを後々恥だと車の中でもらすシーン。息子のことを第一に考えて飲み込めない状況でも救おうとする気持ち。

自分が生まれ持ったセクシュアリティを大切にして欲しいし、それが変わってるなんて思わないで欲しい。

自分は自分でしかいられない。ありのままの自分でいることが何よりも幸福であること。そして、自分のことを1番理解してるのは自分であること。

どんな性に生まれても、みんな1人の人間であることを一人一人が理解していける世の中になってほしい。って心の底から思った。

子どものうちからあらゆる性について義務教育段階で学ばせたほうがいいって私は思う。自分が何者だか、何が好きか、わからないのは知識が少ないからだし、周りに相談しにくいから。

男らしく、とか、女らしく、とかいう言葉はよく聞くけど、今の時代を生きてる人にとってはむしろマイノリティだと思う。
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