イギリスのボクサーの自伝を元に作られた生き地獄ムービー。
薬に明け暮れたイギリス出身のムエタイ選手。しかし、彼は捕まり監獄に収監される。しかしそこはこの世の地獄。タイ語も分からず、全身刺青だらけの男たちの居る雑居房に押し込められる。そこにはレイプやドラッグ、殺人、暴力などが溢れていた。狂気の世界の中、男は再びムエタイのリングに立つ…。みたいな内容ですが、監獄のシーンがマジ地獄。ホントにこれ映画？って位の迫力。リアルなのかは、タイの監獄知らないんで良く分からないですが、もうトラウマ級に恐ろしい…。不衛生なタコ部屋に刺青だらけのチンピラが押し込められ、若い男の子は、レイプでカマを掘られ…。しかも、分からんタイ語で捲し立てられる…。そしてリンチ。
まさに地獄…、生きながらに地獄を観る事ができます…。随分、酷い映画を色々観てきましたが色々な意味でここまで酷い映画を観た事がありません。それ位生き地獄感が半端ないです。しかも、主人公はホント救われません。ロケ地はホントの監獄。キャストの大半は元囚人という力の入れようが、この画面から溢れ出るリアルを爆発させているのでしょう。そこに差し込む唯一の光がミスターレディ。そりゃ縋りたくなりますよ…。後はムエタイ…。
何でしょう…見終わった後に何か共鳴や感動、教訓、興奮、みたいなものは一切残らない…。あるのはただ、ただ地獄のような世界から生還出来た事への安堵感。そして、これが自伝であるという恐怖…。絶対、タイで捕まりたくない…。覚醒剤怖い…。タイ人怖い…。刺青怖い…。
とまぁ、凄まじい映画ですが、やはりこれを映画として成立させてるのは監督の力量なんでしょうね。話の軸になるムエタイのシーンなんか、とても良く撮影されてます。長回しで撮影してるにも関わらず、迫力ある映像で格闘シーンが撮れてるのは素晴らしい！
まぁ、全くローキックとか出さないのはどうかと思うけど、ワンカットで、しかもカメラマンもリングに上がって撮影してると下半身は映らないっすね。
それ以外に主人公がムエタイ仲間から認められて？背中に虎の刺青を入れるシーンがあるのですが、とても幻想的で何だか素敵でした。後は、ホント地獄のような映像ばかり。
軽々しく観るとこれも大火傷を負いますが
見応えはたっぷりあるハイインパクトムービー！
