待つの

荒野の殺し屋の待つののレビュー・感想・評価

荒野の殺し屋(2017年製作の映画)
3.5
硬派な映画というのは数多くありますがが、その中でも最右翼を張れるぐらいの格調高い作品です。
『荒野の~』なんて言うとマカロニのハードな暴力ウエスタンを連想しがちですが、本作は1900年代初頭(?)ぐらいのブラジルのカンガセイロという野盗もすれば殺しも請け負うという血と暴力にまみれた人々が猛威を奮った世界が舞台となっています。その舞台設定がまず目新しくて新鮮味があります(まあやってることはハードコアウエスタンに変わりはありませんが)。また、特定の主人公を置いて彼の物語に絞るというよりも血生臭い暴力世界に生きる人間たちの十人十色の生活模様をパノラマ的に見せていて、映画的に豊かで渇いた暴力世界が広がりを見せていて面白いです。暴力描写や銃さばきもそれ相応にハードで好感が持てます。どの死体も眉間にしっかりとまん丸の穴が開いているのが良いです。
話のオチとしては、暴力はそれ以上でもそれ以下でもなくただ暴力でしかないという拡大も縮小もしないようなドライな感覚がツボでした。話としてはかなり地味です。
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