カタパルトスープレックス

できごとのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

できごと(1967年製作の映画)
3.6
ジョセフ・ロージー監督が描く「中年の危機」。脚本家ハロルド・ピンターとの協業二作目。

前作『召使』(1963年)があまりにも傑作だったため、ちょっと肩透かしをくらってしまったのは否めません。撮影監督が天才ダグラス・スローカムから秀才ジェリー・フィッシャーに代わってしまったのも大きいのかも。ジョセフ・ロージー監督とは長い付き合いになるのですが、これが初めてだから仕方ないのかも。

英語の原題はアクシデント。つまり、事故。では、なぜ邦題が『できごと』なのか?それは、冒頭の交通事故だけではないから。「中年の危機」に起きた様々な「できごと」を描いた映画なんだと思います。

ただ、テーマ、ストーリー、キャラクター造形全てにおいて前作『召使』に及ばないのが残念。撮影技法に至っては足元にも及びません。ハロルド・ピンターの脚本らしい悪意はビシビシ感じるんですけどね。