垂直落下式サミング

名探偵コナン ゼロの執行人の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
『踊る大捜査線』とか『相棒』みたいな警察組織内部のゴタゴタに焦点をあてたちょい難しめコナン。硬派な刑事もの風が新鮮で、なかなかいい。
東京サミットで使用される予定の施設が爆発。警備してた公安が数名死傷してしまう。事故かテロか、捜査で見つけた証拠のなかに毛利小五郎の指紋がっ!?
公安警察がやって来て、おっちゃんが逮捕されちゃう!明らかに異常な力がはたらいている。ハラハラするストーリー展開。この絶望感。夕方の光が窓から差し込んでいる演出が怖い。捕まるおっちゃん、泣き崩れる蘭姉ちゃん、公権力執行に対し無力を痛感するコナン、ドラマとして感情を揺さぶる。
IoTテロ、パソコン遠隔操作、公安の違法操作など、公開当時にはそこそこタイムリーだったであろう風刺的な内容となっていて刺激的。世間はこんなにハイテクでやってんのに、蘭姉ちゃんはガラケーっていうアンビバレンツ。これは新一があげたやつなんやで。ヒューヒュー。
メグレ警部や高木刑事など、コナンの牧歌性を象徴するいつもの刑事課の面々とは違って、公安はなかなか手強いと思いきや、あっさりと警察内部情報を盗聴するコナン。犯罪者みたいなことやってんなコイツ。君はいったい何者なんだ?という凡夫の問いに答えるお決まりの決め台詞に、圧倒的な強者の風格を感じる。
見所は、珍しくコナンが恋バナするところ!なんと!安室さんに彼女の有無を聞いてくれる。コナンくんの唐突なノンデリ発揮に面食らったが、仕事が恋人ですから特定の異性と関係持ったりってことはありませんって宣言してくれるのは、ほんとうに嬉しい。
アクションも過剰に進化。スポーツカーでモノレールの線路上を走行し、サッカーボールを使ってあるものを止める。でかすぎんだろ!