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かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―のfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

えっと…え?びっくりするほど感涙、正直最初からずっと泣いていた、情緒不安定かしら。レビュー読んだところそこまででもなさそうだったのに…あれれ。なめてた。当時、ああロードショーされたな新作…ぐらいに思って見に行こうとはしていなかったけど。有村架純ちゃんってのもあって岡田惠和さん味もあるかのようなとにかく優しくて温かいけどそれだけじゃない、人生って幸せと不幸が交互にくるけどもしかしたら不幸の方が多いんじゃないかと思ってしまうようなしんどさ。でも目を背けたくはならない、いつ誰にだって起こりうることばかりで…言葉にならない涙が数分おきに溢れてこぼれた、本当に。いやどこで?って思われるほど。
悲しい、悔しい、何で?可哀想、ほっこり、幸せそうで嬉しい、頑張れ、負けるな、色々な思いが本当に。それにはやっぱり主役の有村架純ちゃんの良さが大きな理由となっていたのかも。ひよっこやそして、生きる、今だと姉ちゃんの恋人もすごく好きで、こう清楚でおとなしい女性像を当てられがちというか似合うようになっちゃってるけどビリギャルから大きな声でハツラツと奮闘する芝居も良かったし、肝っ玉とかそういうんだけじゃなくて、ナラタージュみたいなどうしようもない感じもうまいし…いつの間にかワンパターンではなくなったなと改めて。特に今回のは年上の男性と出会い、子持ち、嫁とは死別とわかっていながら24才で結婚、突然小学生の母親に、ついに妊娠したかと思ったがお腹の中で亡くし、しかし夫は借金をこさえてしまい自身はバイト、そこで夫が急死、自分はまだ25才、借金で部屋を借りることもできず、自分の家族は終わっているから頼れず、夫の通夜も葬式も来てくれなかった(連絡聞いてもらえなかった)夫の父親に頼るしかなく田舎へ..生活の為しゅんやの為(そして実は村の為にもなる)に電車の車掌になるべく今から国家資格…お金があれば来なかったのかも...
だって会ったことない?のかな、疎遠になっていた息子の再婚相手の女性っておじいちゃんも驚くよな、一時は引き離そうというか相手方で育ててもらおうと思ってしまった自分のもとに大きくなったしゅんやが「おじいちゃん!」って、しかも電車大好きになって...嬉しいけど。
あきらにしても、この「お父さん」と共同生活するだけでも大変💦
生きていく為って始まりではあるんだろうけど、良い人でよかったとしか...できない、自分なら。でも、ないことではない。

またしゅうちゃんが青木崇高さんだったのもすごくよかった、大好きな理想像だ、あんな人と出会ったら楽しいだろうなって。スーパー、バッティングセンター、病院でのイチャイチャもすごいよかったし、奥さんのお葬式のシーンも素晴らしく伝わるものがあった…父親と疎遠になったのもすごい自然にわかったし、亡くなった旦那に彼はいい役者使い過ぎでは?と思ったけど、ああやってあきらとしゅんやの生活に根付く彼を思い出す回想シーンたちを見て青木崇高で良かったとしみじみ。彼の出ている作品はほんとよく見るけどこれが私の中では一番かも。すごく好き!!國村準さんはいわずもがな。あの人がおじいちゃんで良かったとしか言えない。桜庭ななみさんもよかったな…
あきらが初めて運転した瞬間、鹿を轢いた時、学校で他の母親にぼろくそ言われた時、それぞれ迄の時間でもうあきらがどんな思いで生きてきたかこちらにはすごく情報が入っているのでとにかく辛くて…泣いたり怒ったり、超大作じゃないけどこの映画から自分の中に眠っていた様々な感情を出してもらった。マジで、泣きすぎて途中で一旦見るの止めて休憩したわ…
健気にと言ってしまえば聞こえはいいけど有村架純ちゃんの役っていつも背負っているものが見えすぎなくてすごい。

ロケ地行って運転席で写真撮ってる人結構いるの羨ましい、こんなの初めて。
観てよかった…
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