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かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―のmittskoのレビュー・感想・評価

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好かった(=゚ω゚)ノ ド定番物をド定番に撮りきることの偉大さよ! 何周か回って、こういうのが正解だと最近つくづく思う。映画作品全体の方向性は製作者のもののわけだが、とりわけROBOTの意志が沁みわたっているように想像される(実際のところは知らない)。

保守的なテーマとメッセージを際立たせているのは、鉄道ガジェットだ。遠く遠く続く線路、田舎を走る単線と都会をめぐる複線交差、乗客や乗員として家族やその他の人たちと共に乗る列車、途中駅、廃止され喪われた列車と路線、運転手の自覚と責任、そしてそれを支え繋げるもの… このシリーズの冒頭にあったはずの鉄道哲学を、あらためて脚本に落とし込む達者さよ! 吉田康弘監督が脚本も兼ねる。

特筆したいのは柴崎幸三さんのカメラ。慎ましやかな引っ込み思案な画づらがとてもよい。

そして、有村架純さんが、ボクとしては初めて良いと感じた。実力は認めていたが、いつもなんかやらされてる感が伝わってきてしまい、哀れさを覚えてしまっていたのだ。しかし、本作の主演役柄は、彼女のどこか大事なところに引っかかっているのではないだろうか。
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