バレンタイン

覗くモーテルのバレンタインのレビュー・感想・評価

覗くモーテル(2017年製作の映画)
3.5
面白かった〜!
今年観たドキュメンタリーでは一番!

覗きをするためにモーテルを買い取った男とアメリカで有名なノンフィクション作家。その二人が本を出版するドキュメンタリー。

ただ、それだけだったら絶対にここまで面白くなかったと思うんだけど続きがあって。出版された後、事実と違う箇所が明るみに出て覗き男は炎上。作家は評判下がりまくって絶望。みたいな展開を包み隠さず描いていた。

当初は覗きをすることに対する是非というかモラルみたいな部分が主なんだけど、次第に二人の承認欲求みたいな部分に主題が移行していく様が本当に鮮やかだった。

結局、覗きをするためにモーテルを買い取った男って普通に犯罪者なので、お金のために本を出版したいだけで、やっぱり平気で嘘をつく。

作家は、もっと有名になりたい承認欲求から都合の良い情報だけを信じる確証バイアス状態。

ひとつの嘘と、ひとつの嘘を見抜けなかったことでガチ人生終わったっていう凄まじいドキュメンタリーだった。

マズローの5段階欲求説っていうのがあって、普通の人は承認欲求がある程度満たされると自己実現欲求に移行する。だけどコンプレックスが根本にある人って永久に承認欲求が満たされない。

それで自滅する人を沢山見てきたからな〜。

だから、このドキュメンタリーは共感する部分が多くて本当に面白かった。窃視症から出版ビジネス。承認欲求と自己実現欲求。心理学、精神医学。色んな側面から観ることが出来る本当に上質なドキュメンタリーだったなあ。
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