このレビューはネタバレを含みます
公開当時4歳でしたが、映画館で観たことをうっすらと覚えています。
多分初めての映画館はこの作品だったんじゃないかな(これかジュラシック・パーク3 w)。
その後はDVDで幾度となく鑑賞してきましたが、記憶のある内での映画館鑑賞は初。
あまりの感慨深さに終始泣きまくりでした。
極めて日本っぽい世界観が本当に魅力的で湯屋の造形や八百万の神様の姿、ヴィジュアル的な魅力が多すぎですね。
海外で受けるのも納得です。
そして、久石譲の楽曲。
どの曲も本当に名曲揃いで、耳でも大変楽しみました。
ただ、やはり物語はかなり難解…
大人になった今だったら結構分かるんじゃね?と思ってましたが、まだ全然分からなかったです。
でも、いくつかテーマとして感じられるようになったところはありました。
1つ目はやっぱり「人間の自然や過去のものとの関わり方」。
クサレガミは人間によって汚された川の神様だったとか、ハク(琥珀川)は埋め立てによって無くなってしまったとか。
あとは放置された祠などもそうですけど、人間が蔑ろにしてきたものに対してフォーカスを当てているように感じました。
2つ目は「社会の中で生きるということ」。
千尋は幼いながらも湯屋で仕事をする必然性にかられて必死に働きます。
その中でいろいろな経験をすることで成長するっていうのがこの物語の本筋だと思うんですけど、まさに社会人的な話だなと感じました。
面接の時は何が何でも入りたいと言って企業に入って、厳しい上司とか優しい先輩とか、時にはカオナシのような厄介な人とも関わりながら仕事をしていくっていうのが私たちの生活だなと。
その中で、自分の本来したいことだったり自分の持ってる考えが薄れていっちゃう事もあると思うんですけど、それが今作で言うちひろの名前なのかなと思いました。
それさえ忘れなければ、きっとうまくいく的な温かさを感じましたね。
また、各登場人物それぞれを自分の内面の一部と捉えると見方も結構変わるなって思いましたね。
とかつらつら書きましたが、裏にあるテーマを考える云々の前に本当に心に沁みる作品でしたね。
ちひろがおにぎり食べるシーンとか、白の名前を思い出すシーンとか、銭婆とのやりとりとか…挙げればきりがない程名シーンばかり。
白と千尋の別れのシーンなんか、きっともう二人は二度と会えないんだろうなっていうのが感じ取れてしまうのでマジで切なかったですね。
個人的には銭婆とのやりとりが一番来ましたね。
私自身名前をちひろと言うので自分に語りかけてくれてるようにも感じてめちゃくちゃ泣いてしまいました。
小さい頃からずっと見ていた作品というのもありますが、自分にとってめちゃくちゃ大事な作品なんだなと改めて感じました。