すあまさえ

千と千尋の神隠しのすあまさえのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.2

大好きな千と千尋の神隠し。

なんで子どもってあんなに振り返るんでしょうね。


千尋は10歳なんだね。
小学校3年生。幼児と少女の境目でしょうか。

お礼を言う、ノックをする、お辞儀をする、返事をする。
千尋はこの油屋で急激に大人の礼儀を身につけていく。

ドジなところもあるけど、大人だったら嫌がるような事も一生懸命やる。
まだ子どもの心が残っているから。
その無垢さが、一生懸命さが、お客さまや周りの人達の心に届いて、千尋は仲間になっていくし、受け入れられていく。


自分の名前を忘れると、人はどこに帰ればいいのかわからなくなるんだ。
千尋は、ずっと自分が何者か知っていた。
忘れることがなかった。

あそこにいる人達は、自分の名前を覚えているのかな。

カオナシが出してくれる金を、何に使うんだろう。
なんであんなに欲しがるんだろう。

本当に大切な事だけを想っている千尋は、必要のないものを欲しがらないし、なんだったら、神様にもらったお団子をみんなに分け与える。
ほんとはお母さんとお父さんに食べさせたかったのにね。

最初の車に乗ってたシーンから、千尋の表情がどんどん変わってくる。
強い意志を持った目だ。

最後の勝負でも、千尋は迷いなく、
圧勝する。

トンネルを抜けてもとの世界に戻る。
千尋がまた、来る前の千尋に戻る瞬間だ。
あれは儀式なんだろうか。

けど、完全に戻るわけじゃない。
あそこでの出来事は、きっと千尋の体に刻み込まれている。

この経験がきっと、千尋を助けてくれる。
すあまさえ

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