大好きな千と千尋の神隠し。
なんで子どもってあんなに振り返るんでしょうね。
千尋は10歳なんだね。
小学校3年生。幼児と少女の境目でしょうか。
お礼を言う、ノックをする、お辞儀をする、返事をする。
千尋はこの油屋で急激に大人の礼儀を身につけていく。
ドジなところもあるけど、大人だったら嫌がるような事も一生懸命やる。
まだ子どもの心が残っているから。
その無垢さが、一生懸命さが、お客さまや周りの人達の心に届いて、千尋は仲間になっていくし、受け入れられていく。
自分の名前を忘れると、人はどこに帰ればいいのかわからなくなるんだ。
千尋は、ずっと自分が何者か知っていた。
忘れることがなかった。
あそこにいる人達は、自分の名前を覚えているのかな。
カオナシが出してくれる金を、何に使うんだろう。
なんであんなに欲しがるんだろう。
本当に大切な事だけを想っている千尋は、必要のないものを欲しがらないし、なんだったら、神様にもらったお団子をみんなに分け与える。
ほんとはお母さんとお父さんに食べさせたかったのにね。
最初の車に乗ってたシーンから、千尋の表情がどんどん変わってくる。
強い意志を持った目だ。
最後の勝負でも、千尋は迷いなく、
圧勝する。
トンネルを抜けてもとの世界に戻る。
千尋がまた、来る前の千尋に戻る瞬間だ。
あれは儀式なんだろうか。
けど、完全に戻るわけじゃない。
あそこでの出来事は、きっと千尋の体に刻み込まれている。
この経験がきっと、千尋を助けてくれる。