子どもの頃は千尋は美人じゃないし、弱いし、カオナシはなんか腹立つし、気味が悪くって、怖かった。坊のわがままも湯婆婆のキレるポイントもよくわからず怖かった。湯屋の登場人物たちは意地悪で、敵なのか味方なのかはっきりしないところもふに落ちなかった。
ハクと千尋の甘酸っぱい関係もイマイチ理解できなかった。
あと呪いの関係もたぶんよく理解しきれていなかった。
でも荒唐無稽な湯屋の世界は楽しくて好きだったから、
今回
#一生に一度は映画館でジブリを
の企画で鑑賞。
大人になった方が面白いかも。
千尋が弱いだなんて。
この歳になってみると若干10歳前後の少女が、こんな短期間で腹をくくり両親を絶対治してみせるという決意とハクへの愛のもとここまでやってみせるなんてすごいじゃないですか。千尋の頑張りはいじらしいです。
ええ、フィクションですけども。
それに登場人物?たち。
彼らの善でも悪でもない、いやしい部分を持ち合わせた憎めないキャラクターのリアルさといったら。
現実世界の人間関係なんて大体がこんなグレーじゃないですか。
坊のわがままも今になるとかわいらしいものだし、
なにより湯婆婆も
普段怖くてがめつくてガミガミいうところはまさしく嫌なお年寄りだけれど、
体を張って1番前で湯屋を守り抜こうとする姿勢とお客様への対応は経営者然としてとても頼もしい。
あとこのセリフ
つまらない誓いを立てちまったものだよ。働きたいものには仕事をやるだなんて
働きたくない〜なんて思ってる私にとっては、働いて安定したお給料がもらえる、生活が保証されているって本当はとってもありがたいことだよな。って身につまされる。
働かせてください。なんて千尋えらい...。
そして荒唐無稽なパラレルワールドへの感動は昔のままに、郷愁と相まってとてもよいひとときでした。