マ帆

千と千尋の神隠しのマ帆のレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
”一度あった事は忘れないものさ
思い出せないだけで”
裏のくぐり戸からボイラー室へ繋がる長い階段、大理石がひんやりと冷たい広間、青い海を一望する部屋、六つ目の駅「沼の底」、紫色の髪留め、、。

こんなに良かったっけ??と思いながらボロボロ泣いた。これもまた千尋が”思い出せないだけ”の微かな記憶になってしまうんであろう景色、人や出来事、それを通して生まれてく千尋の生きる力をスクリーンから受け取る度に包み込まれる圧倒的な音楽。無理。おにぎりのシーンから涙が止まらない。

観る度に受け取り方が変わるし、上に書いたような小さい断片を肌が感触ごと、まるで自分が千尋だったかのように覚えているような感覚がある。幼いながらそれだけ没入していたんだと思う。

小学生の頃買ってもらったDVDの特典は125分ぶんの絵コンテが本編と同じ音楽、セリフに合わせて再生されてくヤバいやつで、そこで知ったこの映画の主題は「今日、曖昧になってしまった世の中というもの、曖昧なくせに侵食し喰らい尽くそうとする世の中を、ファンタジーの形を借りてくっきりと描き出すこと」だった。カオナシは人間の欲の象徴だとか、飲み込んだものを吐き出した瞬間大人しくなるのはその欲も取り込んでいたから、とか、すごく興味深かった。小学生の頃は大根の神様にしか興味なかったけど。

ハヤオミヤザキとジョーヒサイシはどこまで天才なんだ。。。大人になってハウルももののけ姫も観返したけどやっぱり君が優勝。せんちひしか勝たん。

とりあえず川に自転車捨てたの誰ですか
マ帆

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