chanmasu

欲望のchanmasuのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.8
顔白塗りのルーツって演劇なんだろうか。寺山修司を想起させるような最後10分。冒頭の反復で公園でテニスやってる所に主人公が通りかかる、同じシチュエーションだけどエアでやってて皆白塗り。それまでパワハラ気味の傲慢なカメラマンの日常、殺人事件の匂いがするスリラー、そしていきなりニューシネマ・実験映画に。くるくる変わるのだが繋ぎが滑らかでいきなり変化した感覚はない。イギリスで撮影してるけどテカテカして熱っぽい感じとか派手な色彩設計からイタリアの雰囲気。白塗りの像なんかも写して醸し出すものがイタリアなんだけど舞台はイギリスという不思議〜な感触で面白い。引きの絵が多めで印象的でした。カットはそんなになくてゆったりしたテンポ。途中で糸みたいなものが画面にしばらく映り込んでて観ている間はミスかと思ってましたが今は表現の幅を広げる実験をしてたんだなと思える。色んなものが交錯したニューシネマ。
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