片腕マシンボーイ

縛師 Bakushiの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

縛師 Bakushi(2007年製作の映画)
3.6
しょせんはヤワなM男であるマシンボーイがゴリゴリのSMドキュメンタリー観てみたよ!

3人の緊縛師と彼らに縛られる女性達を追ったドキュメンタリーだよ

なんて美しい世界観なのかしら…
いやな、もちろん何百年の歴史を誇る日本伝統の緊縛師による縛りはな、縄の造形により女性の体の元来の美しさを1層に際立たせてまして
本来の目的である拷問術や、一般的なイメージである房中術の1種とは違った
藝術の1種として見てもとても見応えがありまして、その技術の素晴らしさたるや感嘆に値するのですが…
それ以上にマシンボーイが美しさを感じたのは、一流の緊縛師のM女に対する愛情の深さであります!
SMというとどちらかと言えばMがSに使役しるイメージがありますが、本作の緊縛師達の姿を見ているとイメージが一転します、一流の緊縛師による緊縛はM女に対する束縛や苦役ではなく、心を込めた精一杯の奉仕でありました

身体を縛られることで精神を解放されるM女達は、時にその快楽を求めるが故に死をも厭わない事があるそうです
真のM女にとっての究極の快楽は死、緊縛師はM女達を快楽へと導きながらも、神経をすり減らしながら死や怪我といった行き過ぎた事態へと彼女たちが足を踏み入れないように注意を払い、彼女たちが死の世界まで足を踏み入れることなく、全てを解き放ち美しく花開く様を演出しているのです
彼らプロの緊縛師の姿は、快楽への軽い興味で戯れのように変態プレイを行う我々とは一線を画した職人の姿でありました
世が世なら、彼らの技術はもっと公に認められ、紫綬褒章のひとつやふたつ貰っても良いほどのモノなのでわ?

もちろん本作の見どころは彼らの職人としての姿だけではなく、彼らの作品も見応えがあります
個人的には雪村春樹による着衣のままの緊縛の美しさには度肝を抜かれましたね!ほんと1度見て欲しい!同じMとしてモデルの彼女の美しさには羨望しかないが、マシンボーイなんて所詮は男ですかんな、解放された女性の美しさには到底太刀打ちできんのです
マシンボーイは黙ってしゅりちゃんに踏んずけられる夢を見るのです…ぺろぺろ

ちなみにマシンボーイ、肉体労働をしていた時分には、仕事に必要なロープワークいろいろ覚えていたのと同時に、亀甲縛りくらいは出来たのですが、もう忘れちゃったなぁ…
そもそも手先不器用だからなぁ、器用にロープすんすん結んでいく緊縛師たちの姿カッコ良かったですわぁ!

友松監督の「KINBAKU」シリーズと合わせて観ればきっと世界が新しく見える本作
ドMな君も、ドSなあなたも、ドノーマルな面白味の無いお前は特に、目ん玉見開いて刮目しやがれ!ぺろぺろ!