ハレルヤ

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.7
高校1年生の大島志乃。吃音症で大勢の前だと自分の名前も言えないほどになってしまう。そんな彼女と仲良くなったのは同級生の岡崎加代。音楽が好きだが歌が下手。そこで志乃の歌の巧さを見出し、一緒にデュオを組んで学祭出場を目指す青春ドラマ。

誰でもコンプレックスがあって、それを隠しながら日々やり過ごして生きている。これは学生に限らず社会人においても十分に当てはまること。本作では志乃は吃音症で人前で話せない。加代は歌が下手で歌えない。そのコンプレックスを互いが補い合う。

それでデュオを組み、自信をつけながら音楽活動を進めていく2人。しかしクラスメイトのお調子者の菊池が加入したいと言い出してから歯車が狂い出す。

よくある青春映画とはまた方向性が違い、瑞々しさや努力すれば報われる的な展開ではなく、学生生活で実際にあるような形になっています。なので見てて心が苦しくなる場面が多くあります。

何度も見れるかといえば、そうではない感じの作品。それでも本作の核はキャスト。志乃役の南沙良の吃音症演技は本当に素晴らしく、終盤の鼻水垂らすほどの泣きながらの訴えはかなりの凄みでした。

加代役の蒔田彩珠も歌下手でも夢を諦めず音楽活動をしていこうとする姿。空気読めないキャラの菊池を演じた萩原利久も良かったです。キャスト陣の熱演は本作にとって大きなプラスポイントだったと思います。
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