大人になってもなかなか解決できない葛藤が描かれていて、とても苦しくなりいろいろと沈んだけど、人への理解が深くなる作品だった。
人前で自分の名前も言葉も発せない志乃ちゃんも、大好きな歌がうまく歌えない加代ちゃんも、心で感じている葛藤をなんとか表現しようとしている姿に胸打たれた。
南沙良ちゃん、CMでJUDY AND MARYのOver Drive歌ってるのを聴いた時もストレートに響く歌声が素敵だなって思ってたけど、歌で表現できる方法を手に入れた志乃ちゃんの姿も相まって、この映画の歌声も素敵だった。音楽が好きなのにうまく歌えない蒔田彩珠ちゃんが最後に胸を張って披露する歌もかっこよかった。
そして志乃ちゃん加代ちゃん以上に、人の気持ちを荒らすような行動をとり場の空気を壊してしまう菊池くんがいろいろ心配になった。私も人とのコミュニケーションが苦手で男子にからかわれることが多かったタイプで、彼みたいなノリの男の子によく絡まれて、しょっちゅう逃げてたな。彼も彼で激しい葛藤を抱えているわけだけど、どうか人を痛めつけない方法で自分の場所が見つけられるといいな…。加代ちゃんとの辛みは見ててつらかった…。でも、うまくいかない3人に共感する人も結構いるんじゃないかな。いろいろ苦い思い出がよみがえる。
