せびたん

溺殺魔 セバスチャン・ドナーのせびたんのレビュー・感想・評価

3.6
30年くらい前のスタイルのホラーでした。私の中では『でも誰が信じる?』系のホラーでして、初期のチャッキーと同じ分類です。最近主流のアトラクション系ホラーではなく、想像力(感情移入?)が要求されるので注意が必要かもしれません。

監督さんが美意識の高めの変態さんのような気がしたので他の作品も観てみようと思ってます。

映像が綺麗なんですよね。
湯気なのかオーラの表現なのかよく分からない煙が人の体から立ちあがってるのも綺麗でした。
ほんのちょっとの水があればやってくる溺殺魔という設定もスタンドみたいでマニアックだし、水がなければこれないというのも面白かったです。部分的にはジョジョの実写はこの映画なんじゃないかというくらいの感じでした。笑
殺し方がワンパターンていうのがリアルで怖かったです。しかも殺し方が狭い箱に閉じ込めてからの溺死とか(←私は閉所恐怖症)。

ふとしたきっかけから溺殺魔の存在に気付いた主人公のマディソンには身寄りがなく、家族のように信頼できる親友たちに囲まれて生きていますがその親友たちが溺殺魔の存在をまったく信じてくれないという恐怖。けれども親友たちはマディソンのことを親身になって心配し、彼女が精神的に病んでいると考え、「病気を治そう」としてくれるという恐怖(って伝わりますかね…)。

その結果、仲間内で洗礼(バプテスマ?)に似てないこともない儀式を行なったことで溺殺魔との間に道ができてしまうというのが物語の始まりです。私はなんかもうこのくだりだけでめちゃ怖かったです。リアルに。ああこれはきっとこうなるんだろうなと思いつつ、大勢に妥協しながら角が立たないように修正意見を出していくめんどくささを思い出します。たぶん誰にでもそういうことってあるんじゃないかと思います。

仲間たちがマディソンのことを信じてからは一本道なんでちょっと退屈でしたけど。
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