りら

アニマルズ 愛のケダモノのりらのレビュー・感想・評価

アニマルズ 愛のケダモノ(2016年製作の映画)
4.1
オーストラリアで1986年に起った
バーニー事件という実話をもとにしてつくられた映画です。

映画観ながら、この夫婦はいったい何の目的で?何の意味があるん?
って何度も問いたくなる意味不明な夫婦で
どうしたいっていうんだろう~の疑問がついてまわってました。

異常な性欲の持ち主の夫との関係を壊したくなくて
夫と共に若い女性たちを監禁して強姦、最後は殺して埋める。
恐ろしい映画でしたが、17歳のヴィッキーが
エヴリンとの会話で、心理的に言葉をつかって
エヴリンの心を動揺させていくのが
すごいって思ったよ。

エヴリンに書かされた母親に宛てた手紙の内容も
言われた通りに書かなきゃならない中で
上手く、暗号を入れて場所を知らせようと
してたのもすごいし。

最後の最後で殺されようとしてる時に、
エヴリンに向かって、「これで何が変わるっていうの?」
って問いかけたヴィッキー!

映画の中では、このヴィッキーの言葉で、
エヴリンの心を動かしていくさま、が見応えあるよ。

エヴリンの心に変化を与えたから結末が
実話とは違う方向へとなったんだと思ったよ。

観てる方としては、救われたよ。

現実のバーニー事件は、この恐ろしい映画より
映画なんかよりもっと酷くて
救われない。5人目の被害者が逃げることできて
2人が捕まってほんとよかったって思うだけ。。。

映画の方は、被害者のヴィッキーの両親、恋人の
ことなど、どういう家庭環境にあってどういう関係に
なってるかなんてことも
描かれてるから、最後に娘を探して大声で叫び続けてる母親の
姿なんかも、犯人のエヴリンの心に響いてんじゃないかって
思わせるところもあって
奥深いです。

異常性欲者の夫は、仲間うちではゴミ扱いされても
何も言い返せないヘタレな男なのに
家では女に偉そうにして、暴力をふるうヤツ。
ダメ夫あるあるですね。

犯罪者じゃなくてもリアルにあるある夫って感じが
男ってやつは~って思わされたよ。

弱い奴ほど、吠えるってアレ、そのものだよ。
りら

りら