マイノリティ

響 -HIBIKI-のマイノリティのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.0
とても良かったです!

傍若無人で破天荒。
KYで本をこよなく愛し、思った事はすぐ口にし、行動に移す。
そして売られた喧嘩は必ず買う。

そんな女子高生がやがてクラスメイト、出版業界や大人、マスメディアを動かす話です。

ある出版社の新人賞に応募された小説をたまたま読んだ編集者、花井が作品と才能に惚れ込み、どうしても出版したい。という熱い思いで動き始めます。

応募された小説には名前しか書いておらず、住所も連絡先も分かりません。

途方に暮れる花井でしたが、たまたま著者に出会います。

著者の名は、鮎喰 響という女の子でまだ若干15歳。
とにかくめちゃくちゃで何をしでかすか分からない生活の彼女ですが、この若き天才を文壇界でデビューさせる為に花井は悪戦苦闘します。

女子高生の響は相手が高校生だろうが作家だろうが所構わずお構いなしに自分の言葉で意見を言うし暴力を振るいます。

そんなワガママな彼女ですが、花井の努力の甲斐が報われ、何とか小説は世に出る事になります。

本人の知らぬ間に作品「お伽の庭」は2大文学賞の芥川賞、直木賞のWノミネートされますが、響が新人賞の授賞式に起こした暴力事件をマスコミに報道され・・・。

クラスメイトや友達にも放つ響の言葉と行動は観ていてスカッとします!

世間のしがらみや間違ったルールに縛られず自分の考えだけで生きる彼女に勇気を貰います!

しかし、そんな彼女のワガママの尻拭いをしているのは花井を初めとする常識ある大人です。

過去の栄光にすがり、惰性で書き続けている作家が響に言います。

「自分の世界の現実に折り合いがついた、この感覚に気付く時が必ず来る」

かつては天才と呼ばれ自信も才能もあった作家の哀しみがよく分かる名シーンでした!

そして、職種は違えど、そんな風に挫折や絶望を感じながらも必死で生きている「大人」がいるからこそ、「子供」も生きていられると思いました。

あと、踏切で売れない作家に向かっていう響のセリフがかっこいいです!

主人公の響を演じた平手友梨奈、編集者花井の北川景子が素晴らしかったです!
他にも小栗旬、北村有起哉、アヤカ・ウィルソン、柳楽優弥、高嶋政伸、吉田栄作等、豪華キャストです!

この作品は10代の時にも観てみたかったです。