きー坊

響 -HIBIKI-のきー坊のネタバレレビュー・内容・結末

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2020年27本目。元欅坂46の平手友梨奈の初出演、初主演作。欅坂46からの脱退発表から約1ヶ月が経って、改めて見てみたいなと思い2度目の鑑賞📽

初回鑑賞後の所感は細かく覚えていないけど、「平手さんにはウォン・カーウァイみたいな色味の映画も似合う気がするから、いつか香港映画、特にノワール作品とか出てみてほしい」ということと、「響ハマり役だと思うけど、今のところ性格俳優の域を出ないな」と思ったことだけは覚えている💭
今回見て印象に残ったことを記録しておきたい🖊

【印象に残った点】
1.『戦争ごっこ』をどの棚に置くか、リカと小競り合いするシーン
リカ(アヤカ・ウィルソン)が『戦争ごっこ』の良さを語って元の位置に戻そうとしているときの、響の「は?コイツ何言ってるの?」と言わんばかりの表情が良かった。
その後、響の手が届かないように、本を棚の上に置くように頼まれた涼太郎(板垣瑞生)の「ごめん、でも頼まれたからさ」感溢れる表情も良かった👏

2.動じない平手友梨奈
屋上から転落したり、タカヤ(笠松将)に詰め寄られるシーンで動じないのはすごいなと思った。高い所から落ちる時や相手に間合いを詰められると、少し表情が崩れたりしそうなものだけど、ほぼ微動だにしない。それらのシーンで肝が据わった子だなと感じるし、ウォン・カーウァイの『天使の涙』で、すぐ後ろで乱闘騒ぎが起きてるのに微動だにせず黙々と食べ続ける女のシーンを連想してしまう💭

3.響が投稿した小説が最終選考まだ残ってることを知ったリカの複雑そうな笑顔
アヤカ・ウィルソンが、貼り付けたような笑顔で平静を装う演技が良かった👏リカの複雑な心境が伝わってきた。

4.山本(小栗旬)が小説を執筆しているシーン
目をかっ開いて執筆している様が、原稿校了に向けての緊迫感が伝わって、やっぱり小栗旬いい役者だと思った👏

5.芥川賞と直木賞の発表までの響と山本の対比
あの対比はそのまま2人の小説に対するスタンスにも通ずるように感じる。響にとって小説は、誰かと楽しく過ごすことと同じように自分の日常を彩る一部分。
一方で山本にとって小説は、世界の全てかのような印象がある。だから、落選したあとの山本が自殺しようとする展開になるのは、単に落選したショックだけではなくて、今までを全て否定されたような気がして、そうした行動に至るのだろうとも思った💭

【好きなシーン】
1.鬼島に蹴り入れるシーン
殺陣のタイミングは打ち合わせしたんだろうけど、ものすごくナチュラルに蹴り入れるから、何かスカッとした👻

2.小説家たちと握手するシーン
小説家たちと握手するとき、ただのファン感が出るのが良かった。小説家たちと握手した後、自分の手をジーっと見ているあたりも嬉しさがすごく伝わる。あれを見ていると、欅坂46の8枚目シングル『黒い羊』のMVの「全部僕のせいだ」のあたりで跳ねるシーンとか思い出してしまって、感情を動きで巧みに表現するのがうまいなと思う🧐

3.週刊誌記者の自宅に乗り込むシーン
野間口さん演じる週刊誌記者の部屋で、自分のことを記事に書くなと凄むシーンは、ウォン・カーウァイの作品、特に『欲望の翼』あたりの色味に似てるなと思って、すごく印象的だった💭

4.記者会見で騒ぎを起こした後、ふみに宥められるシーン
響の一言で、ふみ(北川景子)がハッと息を呑むような表情を見せるところは、響から何かを教えられたように感じられた。その直後に一瞬暗転が入って、次の場面に切り替わる感じも好き👍

【疑問】
ウォン・カーウァイ連想してしまうシーンがところどころある気がしたけど、月川監督はやっぱり狙ったのかな?🤔

【感想】
1回目に見た時の所感は変わらず。改めて感じたのは、全編を通じて天才を称賛する内容に仕上がらなくて本当に良かったなと思う。たぶん、天才を称賛するような方向に持っていってたら、たぶんこの映画を好きにはならなかった気がする😶

とりあえず記録してみたものの、オタク目線なしでのレビューはやっぱり無理だった😂
本当は、主題歌「角を曲がる」のことも絡めてレビューしたいけど、そこまで書き出すと余計長くなるからここで止めておきたい🤭

改めて見直してみると再発見したこともあって良かったし、欅坂46脱退後の平手友梨奈の動向はやっぱり気になる🎬
きー坊

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