ぴのした

未来のミライのぴのしたのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.4
なんていい暮らしなんだ…って思ってたら終わった

仕切りのない部屋、日が差し込む中庭、合板じゃないテーブル、見るからに高そうなスピーカー、季節ごとに替わる観葉植物、ドラム式洗濯機…。丁寧な暮らしショールームかよ…

「くんちゃんがウザい」「盛り上がりがない」っていうのは散々聞いて覚悟していたからか、言われてるほど悪く感じなかった。

家系図のことを英語でファミリー・ツリーと言うらしいですが、まさにファミリー・ツリーのお話でしたね。説教くさい感はあるけど、何だかんだひいじいちゃんの話とか割とジーンときたなあ。

ただ、これは誰をターゲットにしてるんだ??ってのは終始疑問。子供向けにしては話に起伏がなくてつまらないだろうし、大人向けとしても先の読めた展開や、なんかズレたギャグセンスにわりとお腹いっぱいになる。

高校生の未来ちゃんを黒木華が声を当てているのがとても良かった。くんちゃんの声はなんかずっと違和感。幼児の声優って難しそう。おじいちゃん役所広司なのかよ、気づかなかった。

家の話に戻るけど、過去を散々振り返ってきたから、現代的な家庭っぽさの表現としてああいう家庭を舞台にしたのかな。それにしてはあんなの超一部のハイクラスだけだろうって感じするけど…。

この映画に終始漂う違和感はその恵まれすぎてる感にあるのかも。父親も文句言われてるけどちゃんとなんだかんだ積極的に家事するし、世のお父さんの中ではかなりいい部類よね…。両親ともに高給取りで育児を応援してくれる双方の両親が近くにいて、しかも全員が全員仲も良くて。怖いくらい問題がなさすぎる。これを現代の普通だと思って描いてるとしたら細田守ってすごくいいお家の出なのか。

くんちゃんが犬化したり未来ちゃんにくすぐられたりするのは細田守の性癖なのかな…なかなかですな…たしかに僕も未来ちゃんとハチゲームしたいですな…