イロカワ

15時17分、パリ行きのイロカワのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.7
 人生の断片を繋ぎ合わせて、奇跡みたいなものを否定する。不発弾が発射される確率なんて知ったこっちゃない。彼らは良き人間で、正しいことをしようと真面目に生きてきた。だから、あれは奇跡なんかじゃなくて起こって当然の運命。すべてがあの瞬間のための人生だったのだと結論づける作品。
 それを本人たちに演じさせる事で、彼らが特別な存在なのだと演出する。誰にでもできるわけではない。彼らだからできた事を彼ら自身に演じさせて、正当性を担保する。イーストウッド監督の世界に対する考え方が反映された傑作。
イロカワ

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