トムトム

15時17分、パリ行きのトムトムのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.0
早撮りでほぼワンテイクで終わらせて照明も使わないクリント・イーストウッドは近年実話物ばかり撮っており映画にはフィクションすらいらないと言う境地に至っているのか今作ではさらに俳優すら削り、テロ事件に遭遇した本人を本人役で出演させるという挑戦的な作品。
すでに侘び寂びの世界に入ってきている。

英雄の偉業とフィクションでやるとご都合主義の様な奇跡の瞬間に至るまでを本人を使って丹念に描いておりこれが面白いかと言われれば疑問だがその演出力で引きつけてはくれる。

いわば超絶演出力で作られた観光ビデオや結婚式での人生振り返りビデオ、スゴく当たりの回の「奇跡体験アンビリーバボー」。

英語のわからない日本人としては演技力の巧拙はわからないが上手くはない。

前衛的な試みの映画でイーストウッド作品でなければミニシアター系から火がつく感じの作品ではないだろうか。

どんどんと映画の悟りの境地へと向かって行くイーストウッドの次回作も必ず観るだろう。
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