キッチー

15時17分、パリ行きのキッチーのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5
正直に言うとイーストウッド監督が撮っていなければ観なかっただろう作品。監督の発信力の大きさを改めて感じました。

2015年8月21日に高速鉄道タリスで起きたタリス銃乱射事件というのも知らなかったし、大量の銃やナイフを持ち込んだイスラム過激派の男に立ち向かったアメリカ人3人が乗客554名の命を救ったというのも知りませんでした。『ハドソン川の奇跡』もそうですが、死者が出なかったから、めでたしめでたしではなくて、困難に立ち向かった人々を描くことに意義を見つけているようで、そういうところが凄いです。

この事件に限らず自分が知らないだけで色々な人が行動することで大惨事に至らなかったケースは沢山あるんだろうな~と気づかされます。
こういう人たちがいる私たちの世界も捨てたもんじゃないと思いつつ、いざという時に行動できる勇気を少しだけ分けて貰えたような気がしました。

今作は事件が比較的新しいということで主要キャストを本人が演じるという異色の作品。役者も列車も本物を使うなど、リアリティへのこだわりも感じました。

次は何を観せてくれるのか...今年90歳になるイーストウッド監督ですが、まだまだいい作品を作り続けて欲しいですね。
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