ヴィズ

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ヤング・マルクス」のヴィズのレビュー・感想・評価

4.1
めっちゃ簡単にオススメすると、
矢継早な皮肉の数々にくすくす笑えるなら是非観るべき。


資本論を著作した人物。カール・マルクス。
…の若い頃。っていやいや。そんな所にスポット当てて大丈夫?

こんな重箱の隅を突く様な尖った題材で普遍性を持たせるられるのか…。…その為に喜劇テイストにしてる点は凄い。というか冒険したな、と。

さて、
舞台のセットの展開、合わせて話と場面展開がポンポンポンポン進む。このテンポは演劇初心者の私にはやたら新鮮でした。前の場面の余韻を感じさせずにドンドン次に進む。
そこに挟まれる矢継ぎ早の皮肉と会話の数々。もはや誹謗というか見栄というか…キレッキレの単語がバシバシ入る。これも込みでとにかく展開が早く感じる。
…この場面の殆どが事実を基にしてしるい言うのだから驚きも兼ねて笑ってしまいます。ブラックジョーク、シリアスな笑いというのか。笑って良いのかと疑ってしまいつつもくすりくすりと笑い続けてしまう。
斬新な要素ばかりで構成された今作。その落とし所の場面こそ、その根底に合ったのはとても普遍的な主題の様に私は感じました。最後まで観た結果。異端な組み合わせの様に思われた様々な要素が、本当に一演目として混ざり合って完成しているのが本当に凄い。正に演出家の演出と俳優陣の演技のなせる技です。2時間強が本当にあっという間でした…。
本当に今後のブリッジシアターの作品に期待大です。(…次回はジュリアスシーザーですね!)

一人の男と二人の主人のメンバー再集結。
史実の隅を題材にしたドタバタブラックコメディ。
いやあ!現代最先端の劇を楽しませて貰いました。
ヴィズ

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