ホアキン・フェニックスの演技力。
「笑」という喜怒哀楽。
愛想悲壮、病気、嘲笑失笑。抱腹絶倒。
これが見事に観ていて聞いていて分かってしまう。映画全体の7割、この演技に持っていかれる。本当にゾッとする。ホアキンフェニックスでなければ駄目だと思われる位にはこの映画は彼の為に作られている。
この狂人に同情するはずがないのに。
心晴れやかに悪に堕ちる。
何が悪か善か。何が狂って何が正しいか。なんて、どうでもよくなるくらい。
良くある程の映画なら登るはずの階段を、入るはずのない部屋に、証明焚かないシーンに、普通笑わない場面に。
普段笑って見ているワイドショーに、コメディアンに、ギャグやシーンに、笑えなくなる。
爽快かつ清々しい気持ちのまま狂っていく。
残り3割の後押しを、悲惨な世界と彼の実情が、明暗分ける証明画角が、足から伝わる音響が。JOKER誕生の瞬間には自分も両手を上げて歓喜に湧いてしまいそうには、染められる。
JOKERというDCバッドマンスピンオフではあるが、アメコミとして語るには異色。ただ一人ミニシアターでこの映画を見た時に、只々、素晴らしいと言える。そんな映画に仕上がってました。
ホアキン様様。ご馳走様です。