かに

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ジュリアス・シーザー」のかにのレビュー・感想・評価

4.5
まず演出の斬新さにめちゃくちゃ驚いた。劇場のアリーナ内で芝居が繰り広げられていて、その中にローマ市民役という体の立ち見の観客がいる、という構造。参加型の極みすぎ!!初めは、「とはいえ客だしな…」と思って、彼らがノイズになる様な気がしてたんだけど全くそんなことはなくて、完全にローマ市民だったし、最早舞台装置でもあった。パンフレットによると、座って見られる席より、アリーナ内の方がかなりお安いらしい。あんなに近いのに!?とも思ったけど、それはそうか。

物語の舞台が現代に移されると、シェイクスピア作品の普遍性がより強調されるなあと思った。シーザーの見た目に、某国の某政治家のオマージュが入ってる(と思われる)のもあって、“今の時代でもこの物語は起こり得る”という怖さが増す。言葉の力、煽動の力。
元々男性である人物を女性の役者さんがやっているのも面白い。その中の一人のキャシアスがすごく印象に残ったな。そりゃブルータスも揺さぶられるよなという説得力のある気迫…。
ウィショーさんは割と線の細い人をやることが多いイメージがあったのに、ブルータスのようなキャラクターもごくごく自然に演じてて好きが溢れました。画面越しでも圧倒された、いつかあのお芝居を生で浴びたいなあ。

色んな作品を見てるわけではないけど、良い意味で如何様にもお料理できちゃうのがシェイクスピア作品の特徴な気がする。NTLive、毎回行き逃してたので見に行けて良かった〜、今シーズン(?)の内にあと2作品位は見たい。

いいな〜!生で見たいよ〜!の気持ちが昂りすぎて長々と書いてしまった!!自分用メモを通さないでここに直接書いてると、感想長くなっちゃいがち。
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