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人魚の眠る家のバナバナのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.5
脳死って、何をもって脳死というのか。脳幹までダメになったらなのか?
栗本慎一郎さんは重い脳梗塞になったけど、厳しい訓練をして、今ではゴルフや車の運転をできるくらいに回復されている。脳の半分を病気で失ったお子さんが、まだ若かったからか、また歩ける様になるまで快復した例もある。

この作品では、親が電気メーカーの社長という事で「金なら出せる」と、電気信号で体を動かす研究に資金を惜しみなく出す。
もし脳死状態と言われている人が電気の力で肉体が動くところを実際に見たとしたら、やはり恐怖を感じるだろう。
しかし、脳が電気信号で動いているのは事実なので、電気信号で運動させる事によって脳細胞を増やす、という技術が、あと何十年かしたら本当に実現したら凄いな…、と取り留めのない事を思ってしまった。

映画の中では、この娘さんを外に連れ出す事を、世間の人たちから非常に忌み嫌われていたが、
例えば“閉じ込め症候群”の人を、『ブレス幸せの呼吸』の様に日本で外に連れ出したとしても、何も事情を知らない人達から激しいパッシングを受けそうだなと思った(なにせベビーカーを電車やバスに乗せるにも文句を言ってくる人がいるのだから)。

死んでいる、死んでいないの境界線はどこにあるのか?
この家族が世間の目を吹っ切って、家族で出掛けた先に幸せが見えたところで泣きそうになった。
これまで、お金だけ出して逃げてきた父親も、やっと家族になれた感じがしたから。
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