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眠狂四郎 女妖剣のodyssのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 女妖剣(1964年製作の映画)
3.7
【狂気の姫とキリシタンの聖女】

全部で12本ある市川雷蔵主演の「眠狂四郎」シリーズ第4作。

この作品には二つの筋が絡んでいます。ひとつは将軍の娘である菊姫が美男美女をもてあそび殺してしまうという筋書き。ここに狂四郎も巻き込まれていきます。

もう一つは悪徳商人が禁制品を密輸入して大もうけしているというお話。この筋は一方では大奥や菊姫に、他方は隠れキリシタンの美しい聖女へとつながり、この聖女が狂四郎の出生の秘密を知っているらしいという風に展開します。

筋書きとしてはよくできており、途中で女と狂四郎との絡みもあり、悪くない出来でしょう。特に、隠れキリシタンの聖女などの、ちょっと猟奇的な匂いをひそませ、しかしそれが巧みに悪徳商人と結び付けられているところが面白い。

第一作にも登場した陳孫(城健三朗)が、ふつうのサムライものとは違う味を出しているのも貴重。

何人もの女優が登場しますが、やはり藤村志保さんの美しさはきわだっていますね。全裸シーンもありますけど、あまりまともには見えないのが残念(笑)。
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