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1987、ある闘いの真実のkaitomoのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.0
警察の取り調べによる学生の拷問死の隠蔽を起因として始まる韓国の民主化運動を描いた骨太な作品。
冒頭、沢山の登場人物が次々に現れ、誰が主人公なのかも混乱。しかし、本作では敢えて明確な主人公を設定していないのだろう。独裁や権力に抗い、危険を犯しても正しい事をしようとした人々、立ち上がった人々すべてが主人公なのである。
たった30年程前の出来事、現在の韓国を作った転換点と言えよう。日本と比べても、民主主義のパワーが強く、国民の声が大きいのもこういった歴史があってこそだろう。
観てて消耗はするが、役者の熱量も高く、韓国映画の凄味が効いていて、見応え充分。闇の象徴のようなキム・ユンソクにゾッとした。
デモを冷笑しがちな日本人は勿論、民主主義の本質、ジャーナリズムの在り方等を改めて認識できる、万人に薦めたい一本。
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