1987、ある闘いの真実の作品情報・感想・評価

「1987、ある闘いの真実」に投稿された感想・評価

punx

punxの感想・評価

5.0
『1987、ある闘いの真実』感想


検察、看守、ジャーナリスト、学生と様々な立場にある人たちが自由のためにたたかいに立ち上がる様が感動的でした。
それぞれの立場にあっても、自由と民主主義のために1人ひとりが自らの良心にしたがって行動することの勇気が全体を通して描かれていたように思います。

また、軍事独裁政権を支えるための暴力の凄まじさには言葉を失います。さらにこれがわずか30年前の韓国だったことにも衝撃を受けます。

そして、その暴力の動機づけとなる「反共」イデオロギーの重大さについても考えさせられました。

少しでも政府に反抗的な態度を取る者は全て「北朝鮮の手先」とレッテルを貼られ、そう見なされた者は殺されても構わないという警察は戦前の特高を思わせるものがあります。

戦前、日本の植民地として支配されていた時の統治手法からの影響などもあるのではないかと思ったりしました。

同時に、そのトップとして、まさに「反共」イデオロギーに突き動かされて暴力を行使する人物も、脱北者であり背景として北朝鮮当局から家族を殺された経験があることも描写されており、軍事独裁政権を成り立たせていたものの複雑さも感じられました。

朝鮮半島において大きな変革の過程が始まっている今だからこそ観るべき映画だと思いました。
映画の途中でも何回か泣いたけどエンディングでのあの歌で大号泣。
最後にあの歌流れるんやろなと思って気持ちの準備をしてたけど、実際の映像と相まって胸に迫りくるなんとも言えない感情で涙が溢れました。
"感動"といったような第三者な気持ちではないあの感情は何なんだろう。
これがたった30年ほど前の出来事なんですよね。その頃もこのニュースは知ってたけどやはり人ごとだったよなと思いました。
いろいろ考えさせられた映画でした。
1987年の記憶はとても鮮明に残っていますが、
それは自分の周りのだけであって
自分の周りの外の世界は興味のある部分だけでした。
アジアへの関心は
ソウルオリンピックぐらいだったかな。
そんなソウルオリンピックの前に起こった
出来事だと思うとゾッとします。
日本でも学生運動が盛んだった時代はありましたが、その頃は人の話でしか
聞いた事はありません。

国が成長すると国家と民衆でぶつかるのは必然なのかもしれません。

本作の前ににタクシー運転手を観ました。
1980年の出来事です。
隠そうしていた事件があるきっかけで
知られてしまう。
でも、知られて良かったと思います。
昨今ですら知らずに埋もれてしまう事だって多いのですから。

あと、韓国版のサニーでも
1987年の韓国の情勢が分かりますね。

本作、製作は初めは秘密だったようです。
過去の出来事も国家にとっては汚点なのですね。
1人の大学生の不審死から始まり
国家と民衆は対立します。
アカ、アカと共産主義に恐怖を抱き
制圧する国家。
制圧を阻止しようとする人々。
暴力の歯止めが効かなくなるほど
恐ろしいものはありません。

30年前の出来事ですが
国をかえ、姿形をかえ、
今だって起こり得る事だろうな、
と強く思いました。
少し冷静になって、
人の痛みや命を考えなければ
なりませんね。
m

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4.0
骨太。凄み。悪の権化である所長なりの大義名分も観る側を苦しくさせる。ゴッドファーザー
ほのか

ほのかの感想・評価

4.2
韓国映画のすごいところ、こういうところ。

タクシー運転手でみた光州事件のその後。光州事件の様子もチラッと出てくる。たぶんあのドイツ人記者が撮ったと思われる映像も。
韓国が1987年まで軍による独裁国家だったという真実にいまだにびっくりする。
この出来事の映像作品を作ることで、この過去を悪しきものとし蓋をしてなかったことにするのではなく、人々に知らしめ傷をえぐって痛みを思い出させて私たちはもう絶対に繰り返さないという強い意志を共通意識として根付かせていこうとしてるしているように感じる。


テンポのいい会話と事件の深刻さを物語るピリピリとした空気のバランスがすごくよくて、笑ったし泣いたしめちゃくちゃ考えたし盛りだくさんだけど、まだまだわたしの中にある情報は足りてない、これだけで知った気になりたくはないなと思う。知識欲を掻き立てるようなそんな映画だった。
観終わった後にHP観たら、みたことある役者さんたくさんいてびっくりした。
観てる最中はカン・ドンウォンとユ・ヘジンしかわからなかった。

まさかのめっちゃ好み〜!と思った人がハ・ジョンウでめちゃくちゃびっくり。お嬢さんとチェイサーでこの人怖すぎると思ったのに…。役者さんってすごい。あまり出番は多くなかったけど、とても大きな意味を持った大事な決断をして、錆びついた歯車を動かしていったすごいひと。いい加減そうにみえるし乱暴やしじゃじゃ馬やけどこういう人がいなきゃ動かない局面もある。かなりいいとこ持ってくかっこいいおじさん検事。

キム・ユンソク、怖かった〜…。チェイサー、ハ・ジョンウが印象的すぎてもう1人の人覚えてなかったけど、キム・ユンソクだったらしい。へぇ〜!もう一回観たいとは思わないけど。チェイサーはトラウマ級にマジで怖かったので。脅しで机をバン!って叩いたりすんのこわい。ヒィ〜!家族を脅しに使うの卑怯やぞ〜と思ってたけど、なるほど、身をもって知ってるわけね…。

ソル・ギョングは絶対にみたことあるねんよな〜!!!って思ってたんやけどまさかの名もなき野良犬の輪舞。このときはめちゃくちゃ口が達者なおじさんだったのでこそこそしてるキム・ジョンナムの姿と結びつかなかった。ジョンナムって名前とジョンチョルって名前が混ざってちょっと混乱した。ふたりとも名前はよく出てくるのに顔があまり出てこんかったからさ…。

カン・ドンウォン、もうそこそこいい歳やのにまだ20そこそこの学生の約に抜擢されるという出来事に凄い以外の言葉を当てたいのに思いつかない。凄い。正直観る前はカン・ドンウォンが出る!ってことしか知らなかったのでまだかまだかと思って待ってた。後半からやったけどめちゃくちゃ重要な役。最後まさかの展開でまたこれエンドロールで泣いた。新聞の写真の再現度!しかし鼻血が出てようが白目向いてようがやはりカン・ドンウォンはかっこいいのだ!


キム・テリ、お嬢さんの子か〜!あのおぼこかった女の子が普通の可愛らしい女学生に…。めちゃくちゃ可愛くて全然結びつかなかった。
印象的なキャラばっかりやったけど、わたしはヨニが1番刺さった。ヨニは唯一「独裁国家反対!民主化を求む!」という気持ちを持たずにデモに参加してしまう人。ジョンナムと繋がってしまったのも叔父に頼み込まれたからやし、光州事件の映像を見ても国がこういうことをすることは許せないという気持ちには振り切らなかった。ヨニの心が唯一動く時は、家族、身近な人、すきな人が民主化活動やデモによって傷ついたとき。深くは語られなかったけど父親が犠牲になったことによってより自分から入らない、もう誰も傷ついて欲しくないって気持ちが強くなったんだろうなあ。だから、もし生まれる時代、場所が違ったら1番普通に近い場所にいる子なんやろうなと思います。それが良いか悪いかはまた別としてこんなところに、バスの上で力無い拳を振り上げるのがこんなにも似つかわしくない。気持ちはひとつなのかと思いきやそうじゃなくて、活動やデモによって失われた人や物事に想いを馳せる人もいる。それだけ大変な事件だったしその分だけたくさんの人があの場所に集まっていたということだとおもいました。


1番泣いたのはジョンチョルの遺灰を流すお父さんですね…。
「なんでこんなところにいるんだ…!」
そうだ…、ジョンチョルにはこんな国は似つかわしくない。一刻も早くもっと遠くへ、自由に過ごせる場所へお行きなさい。
そう言ってるように感じた。
mei

meiの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっと見れた。ひたすら、本当にしんどい。正直、恥ずかしいけどわたしにはとても、殺される恐怖に勝ってチェ検事のように権力に対してあんなにも啖呵は切れないし、上司にこの件を取材しようと言われたらリアルにためらうかもしれない。それぐらい怖かった。軍に歯向かえば干されるか殺されてしまうかもしれない1987年の韓国。たった30年前。見終わって映画館から外に出たとき、平和なところに立ってる自分が信じられへんかった。
でも、従いながらも自分ができるギリギリをやった人たちがいて、それをなんとかつないだ記者、検事、神父がいて最後は全部明るみにでる。最初はデモに距離を置く女子大生ミニに一番感情移入したけど、自分の叔父さんや好きな人が暴力にあったとき、泣きながら走るシーンは本当に、製作者の見せ方のうまさを感じた。
弾圧する側もただの極悪人とせず、なぜここまで冷徹に反共を掲げるのかを見せてるところもさすがというか、レベルが高くて、あぁ...となる。
反共についてちゃんと勉強したい。自分がいま、取材で何度も出会う共産アレルギーに、違和感持ってるだけじゃなくちゃんと知りたいと思った。
個人的には、タクシー運転手の方が市民目線がわかって好き。でもこの二つの映画は対やと思う。どちらも見れて良かった映画やった。
ドント

ドントの感想・評価

3.7
2017年。おもしろかった。1980年代後半に軍事独裁政権下で起きた学生拷問死事件を端に、小さく細く結ばれてゆく点と線がやがて大規模な民主化運動へとなっていく流れをフィクションも交えて描いた、太くて強いオールスター史実娯楽映画。
正義、秩序、憤激、良心、思想とそれぞれ理由は違うし動き方も違えど、個人個人の行動がやがて大きな波へと繋がる群像劇。いくらでもコッテリと描けそうな題材をスピーディに、豪華俳優からスター俳優へとバトンを渡すようにトントンと語っていくスタイルは本編中の「こんなことして社会が変わるの?」と言う台詞にも呼応する。その小さな行動も何かの影響を与えるかもしれない、と。民主化を勝ち取った国の考え方は違うなぁ、と思う次第。
オールスター映画としていさかか割を喰った俳優もいるし逆にすごく目立った俳優もいるが、やはり本作のキモは極悪人の大物ではあれどそれもいち役職でしかない哀しみを一しぼり垂らした公安所長役キム・ユンソクであろう。でも出てきた人たちの顔はみんな思い出せる。ヒロイックになりすぎず「個人」と「歴史」を映し出す力こぶいっぱいな逸品。なお本作を観る前に是非是非、ソン・ガンホ主演『タクシー運転手』を観ておくことをおすすめします。
Yuta

Yutaの感想・評価

4.5
実話の迫力があった。タクシー運転手もそうだけど、恥ずかしながらこの事件も知らなかった。犠牲者が出ないと国が変わらないって悲しい。
タクシー運転手に続いて大号泣。1987年は日本はバブル期真っ只中だったらしいが、、エンドロールの当時の映像でも泣いた、、
maomei

maomeiの感想・評価

3.9
フィクションを交えているとは言え、忠実に描いた骨太ドラマ。民主化運動の政治的側面もありながら、個々の正義が交錯する物語でもあるように思う。観てるこっちも力んで鑑賞したから、なんだか首が痛い。

贅沢な俳優陣が繰り広げる2時間バトルみたいだなーと思った。いやほんと豪華すぎるメンツ…!あえて言うならハ・ジョンウが飛び抜けて好き過ぎる私ですが、今作は推しが出過ぎてて終始気が抜けない豪華さ。

80〜90年代のマスコミの、アナログだからこそ伝わってくる緊迫感と熱気、そして真摯さも久々に感じられて良かった。
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