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1987、ある闘いの真実のイタリア語のネタバレレビュー・内容・結末

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画はスーパーヒーローが出てくる英雄譚ではない。「普通」の人々が、それぞれが勇気を出して、体制に刃向かった。腐敗した権力に対して、それぞれの大切な人のために、自分の命を顧みることなく闘った。誰かが起こした火種は、4000万という大きな炎となって、権力を引き摺り下ろし、自分たちで民主制を勝ち取った。

今の日本で、これから独裁者が出てきても、日本国民は立ち上がって闘うことを選ぶだろうか。声を上げずに、独裁に対して、ただひたすら服従し媚びへつらい阿ってしまうのではないだろうか。自由、正義を実現するために、韓国人は闘った。明治維新以降、大きな民衆蜂起・デモを経験してこなかった日本人にとっては、ショッキングで痛ましいけど、どこまで行っても他人事のようにしか映らない気がする。日本人にとっては、民主制は自ら勝ち取るものではなく、与えられるものなんだと思う。
愛国心という言葉も、日本では流行らないというか、どうしても「右翼」だと思われてしまう。でも本当は、どんな普通の人にも自分の国を愛する気持ちがあって、愛する誰かのために守りたいという気持ちがあると思う。そういった気持ちが、行動を起こさせるんだと思う。
平和ボケした今の日本人は、独裁者が現れた時、権力が暴走した時、看過できない腐敗を目の当たりにした時、どうする?行動を起こすのか、盲従するか。無関心は罪。自分たちの国なのだから。
繰り返すがこの映画は普通の人たちが、愛する国のために、愛する人のために、勇気を持って行動し、武力に、拷問に屈せず、権力や体制と戦い、自らで民主制を勝ち取った記録だと思う。
平和ボケした日本で暮らす自分にとって、そういう意味でショックを受けた映画だった。
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