ジャッキーケン

1987、ある闘いの真実のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.5
真実vs嘘の全面戦争!
予告編から察するに弁護士のハ・ジョンウが政府の汚点を追求し闇を炙り出していく物かと思ったらハ・ジョンウの出番がそんなに多くなくてビックリしましたね。
弁護士であるハ・ジョンウはあくまで手を差し伸べるところで留まり、庶民に視点を注いでいく映画の構成に良い意味で裏切られます。

内容もそこまで難しくなく政治云々を知らなくても単純に面白い
拷問シーンの悲惨さが分かりやすく伝わるし当時の韓国社会が揺れに揺れまくっているのが伝わってきます。
10代の少女ヨニなど若者から見た本作の事件はより分かりやすく僕のような当時の状況を知らない人と同じ状況に置かれているから見やすかったです。

学生を筆頭とするデモ隊と警官隊の衝突の凄まじさや拷問シーンなど特に拷問シーンは見るのでさえ辛いくらいキツイ
胸糞の悪い警官のドロップキック。ドロップキックが出る韓国映画にハズレはないと言われてるが本作のは単純にウザい
イ・ハニョルとヨニのロマンス要素はラストの壮大なカタルシスで涙腺決壊
登場人物が多いわりには敵と味方の関係がはっきりしてまどろっこしくない。
看守のおっちゃんとヨニの擬似親子にも涙腺が刺激される。
指名手配犯が逃亡する場面はスパイ大作戦のように巧妙。悪玉からマウントパンチされてからの終盤怒涛の快進撃は非常にスカッとします。静かなざまあっぷりが良い
ここぞという時のハ・ジョンウの登場がカッコよかった。