菩薩

ゾンビ&ザ・ゴースト・トレインの菩薩のレビュー・感想・評価

3.3
かつてフェラ・クティは意思も無く人々を無闇矢鱈に傷つけるナイジェリア軍をzombieと揶揄して叫び上げたが、ミカは死神とアルコールに憑かれ、ただ孤独に世界を漂う男をzombieと呼び憐れむ、随分とサディスティックだ。一芸に秀でていながらも、人生に疲れ運に見放され、結局生きる才能には恵まれなかった男、ただ同じ題材であっても、おそらくアキが描けばもう少し滑稽さと暖かみを持ったお話になったのでは無いかと言う印象が拭いきれぬ。アキが絶妙であるならばミカは微妙、残念ながら「カウリスマキのじゃない方」感が強すぎる。マッティ・ペロンパーについてはもうマッティ・ペロンパーすぎてペロンパー、文句無し。ブラック・サバスの「solitude」の歌詞そのままの、冷たい世界観の作品だった。
菩薩

菩薩