超超超超アイロニックでゴージャス！
既存の枠組みでいえば手垢のつき切った題材が別角度で見た時に先鋭的になるなら、今までその視点は「ないもの」とされてきたも同然なわけで、いわゆるシンデレラストーリーを始めとした映画が社会の変化に伴って少しずつ進めてきた歩みを大股かつ高速の一歩で抜き去る洗練されたエンタメ力。
クレイジーがつくほどの金持ちって設定だけど金持ちか否かなんて障壁は脇のキャラクターに押し付けるか、もしくはつまんないこととして笑い飛ばしてるのでイヤな感じ全然しないし、現時点では最新にして最強なんじゃないかと思えるポリティカル・コレクトネスのバランスも清々しい。
ジョン・チュウ監督は何となく腑抜けた続編ばっか撮ってるイメージで失礼ながら舐めきってたんですが、よくよく考えれば自国で成功してハリウッドに進出するアジア圏の映画監督より何倍も険しい道を生き抜いてきてるはずで、そーいう人たちが集まってその反骨精神をこんなポジティブな愛と笑いに変換して撃ち返すなんてマジかっけーな！！！次は自分発の撮りたい続編撮れるんだろうと思うと込み上げてくるものがある。
…みたいな諸々を抜きにしても、これラブコメなんてちっさい枠に押し込めちゃダメなやつっすよ。だって主人公が個性的なサブキャラ(←またこのポジションのやつらがことごとく最高)の力借りながら闘い続けて闘い続けて自らも成長してハッピーエンドって映画、みんな大好きでしょ？
