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万引き家族のtomoonのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

万引き、年金不正受給、誘拐、風俗、殺人、ボロ屋に住む。これらをやってようやく一般的な家族になれる。
あまりに貧しいとそれが現実ということか。

更に、不景気や怪我など理不尽な理由で働けなくなり、貧者はますます貧者に。これも格差社会の現実なのかも知れない。

でも、治と信代の根底には家族を持ちたいという愛情があった。
ただ、「子供のためと思ってやって安心しているのは、子供ではなく母親だけ。」
という信代の言葉から感じたのは、その願いも実は大人のエゴなのではないか、ということ。

この様に、正義と悪、富者と貧者、大人と子供など、対比するものを扱いながらも、それらに対する一般的な価値観に疑問を投げかける映画だった。現実はそんな単純ではないよ、と。

子役の子含め、家族のみんな本当に自然体に見えた。演技上手い。
樹木希林と安藤サクラの唯一無二感が半端無かった。
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