neroli

万引き家族のneroliのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

是枝監督の作品、2作目🎬
 
実際にあった、親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていたある家族の事件からの着想からの作品。
 
東京下町に暮らす
柴田治(リリー・フランキー)
妻、信代(安藤サクラ)
息子の祥太
信代の妹の亜紀(松岡茉優)
治の母親の初枝(樹木希林)

寒い冬に近所のバルコニーに一人で震えていた4歳の少女、りん(=じゅり)
のお話。
 
■柴田治→子供の頃、万引きをよくやっていたと思われる。
 妻の信代とDV前夫を殺害、信代をかばって罪を背負い、
 執行猶予つきの有罪判決を受けていた。
 
■柴田信代→幼少期、虐待を受けていたと思われる。
 元ホステス、前夫からDVを受けていた。
 夫とDV元夫を殺害。
 車内置き去りの祥太と虐待を受けていたりんを誘拐(法的には)
 
■息子の祥太→親から車内に放置され、信代に助けられる。
       治と万引きをして家計を助ける。
 
■娘のりん→親からの虐待、治に助けられる。
      治、祥太から万引きを教えられる。
 
■信代の妹、亜紀→腹違いの妹の方が母親に可愛がられる為、
 実家に居場所がない。
 母親に可愛がられる実の妹、さやかに悪意があるのか、
 源氏名「さやか」の名前で性風俗店に勤務。
 
■治の母親、初枝→年金受給者、この金で家族が生活している。
 実は、亜紀の祖父の元妻。
 元夫の息子(亜紀の父親)から、命日のお参りの際に、毎回3万円もらっていた。
 ある日、実家に居場所がなさそうな亜紀に「一緒に暮らさないか?」と声をかける。
 一人暮らしだと、寂しいし、一人で死にたくない気持ちがある。
 
みんな社会的に問題があり、
一人だと暗く心細く生きていかないといけないが、
みんなで集まり、家族のように楽しく生きていたお話。
 
この映画の中に出てきた
レオ・レオニの『スイミー』という絵本
小学校2年生の国語の教科書にも出てきます。
 
小さな魚「スイミー」が群れで巨大な魚に見せかけて
大きな魚マグロに立ち向かうというお話。
 
小さな魚は「万引き家族」の一人一人。
小さな魚の群れは「万引き一家」
大きな魚は「社会」の例えでしょうか?
 
現代社会で楽しく明るく暮らす為に
犯罪をしてでも他の家族を助ける、というお話。
 
面白い発想の映画でした🎬
 
 
neroli

neroli