万引き家族のyukiのレビュー・感想・評価

「捨てたんじゃない。拾ったんです。誰かが捨てたのを拾ったんです」

りんを抱きしめるシーンと最後のシーン、安藤サクラの髪をかきあげるような泣き方が残った。
　
音だけの花火も、駐車場でのスイミーの話も、おばあちゃんの膝の上で甘える時間も。
何気ない大切な時間と、隠れてはみだして生きることへの不安。

ちゃんと謎に引き込んで、夢みたいな温かくて楽しい時間があって、根底に流れる社会への歯痒さがあって、それぞれのすれ違いと愛がある。

これがいい映画かと思った。