ラム

万引き家族のラムのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっと観たかった映画。
土曜プレミアムでやってたので録画視聴。

やっぱり安藤サクラさんの演技大好き。
自然な涙、セリフ、ラムネのゲップで笑うシーンも好き。

リリーフランキーさんも大好き。
観ててほんまに辛い。

この家に住む人たちは、みんな愛に飢えてるし、お金も無いんだけど、ほんとに大切なものは何かを知ってる。

幸せってお金じゃ買えないけど、お金無さすぎるとほんとどうにもならないんだよね。誰かこの家族に仕事あげて。

観終わったあと、どっと疲れた。
愛のカタチについて考えさせられた。

自分の事しか見えてなくて子供を愛せない親。
そんな親は子供の言葉に耳を傾ける余裕なんてない。
聞いてくれなくて慣れっこな子供はそのうち感情を消してしまう。

何のためにお金を稼ぐの?
豊かに暮らすため。
幸せになるため。
豊かって?
幸せって?
心の豊かさって何?
心が満たされることって。何?
愛情とは、豊かさとは、幸せとは。
絆ってなに?
そんなことをたくさん考えさせられるお話でした。

キラキラ輝いてて楽しかった日々は一瞬で、かけ違えたボタンのように互いの愛情はすれ違ってお互いに届かない。

結局は法律なんだよね。
誘拐になるもんね。
死体遺棄なんだよね。
わかっているんだけど、やるせない。
きっとノブヨの元旦那からのDVから守ってくれたのがオサムだったのかな。

結ばれても幸せにならない2人。
2人のおそうめんのシーン切なくて好き。
夏の蝉のように幸せだった時間はひとときで、やっぱり続かないんだね。

せめて愛する気持ちだけでも相手に届いてるといいな。
お金が無くて万引きしてでもギリギリ暮らしてた日々。
ちいさな笑顔とちいさな幸せがいっぱいだった毎日の生活。
ダメって分かってるけど。分かってるけど。
言葉では1度も伝えなかったけど、届いてるといいなぁ。

おばあちゃんの愛、ノブヨの愛、お父さんの愛、しょうたの愛、ゆりの愛。
みんな互いのことすごく愛してるけど、いつか届く日がくるといいな。

最後みんながみんなをかばって傷ついていく姿がたまらなく痛々しかった。

愛することだけではだめなんだよな。
でもお金だけでもだめなんだよな。
うまくいかないな。

冬にもらわれて来た時は一言も発しなかったゆり。
夏には笑顔が出来るようになって、大きな声がでるようになってやっと幸せになれたのに。
また逆戻りやな。
そしてまたあの寒い冬が来る。
でもきっと春も来るからね。
ウソの家族だったけど、優しさをもらって少し強くなれたから、これからも逞しく生きて欲しいし、人を愛する心を持ち続けて欲しいな。

小さな彼女の心の中には本当のおばあちゃんからもらった愛と、偽物だけど家族の思い出があるからこれからもやっていけるかな?いい人に出逢って幸せになって欲しいな。

産まなきゃ良かったなら産むなよ。
どんな結果であれ、産んだなら、責任持って子育てしろよな。って映画ながらに感情移入し過ぎました。
子供たちの幸せな未来を想像して終わりたい。

亜紀ちゃんは幸せになって欲しいなぁ。
ばあちゃんの愛は本物だったんだよ。お金だけじゃなかったんだよと信じて強く生きて欲しい。おばあちゃんからのありがとうがいつか届きますように。

みんな愛に溢れていたんだよ。
ラム

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