このレビューはネタバレを含みます
慎ましく生活するために"万引き"が生活の一部となっている家族の話
家族とは何で繋がっているのか。愛?お金?それともそれ以外の何か?
生きる為に血の繋がりの無い他人同士(夫婦や腹違いの息子の孫がいるが)が1つの家族を形成し生きるために生活している。
それらを繋ぎ止めるのはお互いの利害関係。
お金であったり頼るべき存在であったり昔犯した犯罪であったり各々の利害関係の一致により歪な家族が構成されている。傍目からは貧乏だが仲の良い家族。
最初はお互いを利用するために暮らしていたが利害関係を超えた家族としての情も湧いていたのは事実。面会で息子の今後の道標を立てるシーン、娘を離そうとせず本当の娘として隠し通すシーンは仮初めではあったが親子の愛はしっかりと存在していたと感じた。
生きるために強固になった絆は本物の家族との血の繋がりよりも固い、だが生きるためという前提条件が存在するせいでその目的が無くなった時の壊れ方は儚く脆く一瞬。
家族とはなんなのか?ネグレクトしようが捨てようが血の繋がりが一番なのか?そんな風に思わせてくれる映画であった。
個人的評価:名作