かと

万引き家族のかとのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

倫理観・道徳観はなくとも家族への愛は素敵だった。
世間でいう普通の家庭で虐待されて育つのと、この映画の家族のように犯罪を犯しながらでも愛に満ち溢れながら育つのとどっちがいいか、犯罪行為を肯定するわけでは決してないが三者三様の答えになるんじゃないか。

ラストシーンの方、信代が自分では祥太を育て上げられないことを痛感し元の親の情報を教えたシーンは、信代の心境を思うと心が痛む。
逆に治は作中を通してあまり成長できず、祥太を見捨てて逃げようとしたにも関わらず親子関係を捨てられずにいる。
だが、見捨てようとした自分を客観視する事ができ、自分のことを「父ちゃん」でなく「おじさん」だと言うが、最後祥太を見送る時に追いかけてしまうシーンは人間味を感じすぎてしまい泣いてしまった。
治の今後の一人暮らしでの人生を想像すると胸が痛むが、これが今まで犯してきた罪の代償なのではないだろうか。
かと

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