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万引き家族のbibliophageのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.7
誰も、自分の気持ちを叫んだりしません。それぞれの思いを後から考えるとじわじわ来ます。”嘘”をより所に、弱いものに絆ができる。(できたのか…?それすら回答をくれません。)

最初から、すべては破綻への導線であり、そんな台詞もちりばめられ、ひりひりしながら見ていました。そしてその時、映画館で思わず目を覆ってしまったのは久方ぶりの経験した。

兄を慕う妹、妹を助けたいと思う兄、うち兄、妹のあんな雰囲気を昔はあったのになー。

「禁じられた遊び」を思い出していました。第二次世界大戦のさなか少女ポーレットが孤児となり少年ミシェルと出会います。貧しい家族にも向かい入れられます。そして、お墓を作る遊びがだんだんとエスカレート十字架を盗みようになり…。ゆり(じゅり)としょうたの関係を重ねて見ていました。ポーレットは叫びます「マミィ」「ミシェル」と。でも、ゆりは見つめるだけです。叫ばないのです。その分、重いけど希望が見えた気がします。

自分は、捨てる人間では鳴く、拾う側の人間であり続けたいと感じました。

書き漏らしました。パンフのコラムは素敵でした。
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