pepe

万引き家族のpepeのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

前半の、血はつながってなくても、だんだん良い家族になっていくの画から、後半の、今までの温かさが嘘かのような薄暗い展開の対比がとても切なくなる映画でした。

『ゆりも役割がないと家族に居づらいだろ』のリリーフランキーの一言は、のちの当人の『俺、万引きくらいしか教えられることなくて』のセリフに表れているように、彼が万引きをするのは、家計を支えるためだけじゃなくて、彼のアイデンティティを守るためだったのかなーととれました。

最後の翔太の『俺、わざと捕まったんだ』は、今まで周りの大人(我々観客を含む)が楽しいと思っていた生活を全て否定するような寂しい一言で、現実に蓋をして幻想を抱きたいのは大人だけなのかもしれないと、ハッとしました。
自分だけなら万引き生活を続けていたかもしれないけど、ゆりという守りたい存在ができて、そこから抜け出すには捕まって全てをリセットするしかないと思ったのであれば、一番全部わかっていたのは彼かもしれないと思いました。
一見の価値ありです。
pepe

pepe